R-CHOP療法の概要と副作用

1. 治療の概要

         •リツキシマブ(抗CD20抗体): 1日目に点滴静注で投与します。

         •シクロホスファミド: 1日目に点滴静注で投与します。

         •ドキソルビシン: 1日目に点滴静注で投与します。

         •ビンクリスチン: 1日目に点滴静注で投与します。

         •プレドニゾロン(ステロイド剤): 1~5日目に錠剤を経口服用します。1日目のみ点滴静注で行うことがあります。

これらを合わせて1コースとし、3週間ごとに繰り返します。通常6~8回の繰り返し(コース)で治療を行います 。

2. 各薬剤の主な副作用

         •シクロホスファミド(エンドキサン): 代謝物が膀胱を刺激して出血性膀胱炎(尿に血が混ざる、排尿痛など)を起こすことがあります 。投与後は水分をよく飲み、頻繁に排尿して尿に血が混ざっていないか注意します。

         •ドキソルビシン(アドリアマイシン): 投与後しばらくの間、尿や汗が赤く着色することがあります 。また、累積投与量が増えると心臓の筋肉に障害が起こり、心機能が低下して心不全になる危険性があります 。

         •プレドニゾロン(プレドニン): ステロイド剤の副作用として、食欲増進・体重増加・むくみ・高血糖(血糖値上昇)・イライラ、不眠などが起こることがあります。また免疫力が低下し感染しやすくなる場合があります。体調の変化があれば医師に報告します。

3. 全身的な副作用

R-CHOP療法では、がん細胞だけでなく正常細胞にも影響が出ることがあります。代表的な全身副作用として、以下のようなものがあります  :

         •吐き気・嘔吐: 薬の影響で吐き気や嘔吐が起こることがあります 。点滴前に吐き気止めを使いますが、食欲低下や体調不良が続く場合は医師に相談してください。

         •骨髄抑制: 白血球・赤血球・血小板などの血液成分が減少することがあります  。これにより貧血(だるさ、息切れ)、出血傾向(歯ぐきからの出血、あざができやすいなど)、易感染性が現れます。血液検査で血球数を確認しながら治療を進めます。

4. 重篤な副作用について

抗がん剤治療には、上記以外にも予期せぬ副作用が起こる可能性があります。特に重篤な副作用としては、劇症肝炎や心不全、重い感染症、アナフィラキシーショック(激しいアレルギー反応)などが報告されています。これらは、まれではありますが生命の危険を伴うこともあります。治療中は全身の状態に細心の注意を払い、異常があれば直ちに医師に報告してください。